古物商許可は、中古品を利益目的で反復継続して売買するために必要な許可で、営業所を管轄する警察署(生活安全課)に申請します。 申請書・住民票・身分証明書・誓約書などを揃え、手数料は約19,000円、取得まで概ね40日前後が目安です。 新品のみを扱う場合の要否は個別判断のため、営業として継続するなら公式情報で確認しましょう。
せどり・転売を営業として続けるなら、避けて通れないのが「古物商許可」です。 「自分は必要なのか」「どうやって取るのか」「取った後に何をすればいいのか」を、はじめての方向けに、必要なケース・申請の流れ・必要書類・費用・取得後の義務まで、順を追って詳しく解説します。 本記事は一般的な解説であり、制度の詳細や最新の運用は自治体によって異なります。最終的な判断は公式情報・専門家にご確認ください。
本記事は一般的な情報をまとめたものであり、法律・税務上の助言ではありません。制度は改正されることがあり、個別の事情によって扱いも異なります。具体的な判断は、各制度の公式情報(国税庁・警察庁・各自治体・消費者庁等)や、税理士・行政書士などの専門家に必ずご確認ください。
古物商許可が必要になるケース
古物営業法では、「古物(一度消費者の手に渡った物品)」を利益目的で反復・継続して売買する場合に古物商許可が必要とされています。 これは盗品などの不正な物品が市場に流れるのを防ぐためのルールです。 中古品を扱うなら必要になりやすく、新品のみを扱う場合の扱いは個別判断になります。 自分の私物を単発で売るだけなら原則として不要ですが、営業として継続的に仕入れ・販売するなら、必要性を確認しておくのが安全です。
申請の流れ(5ステップ)
申請から許可まではいくつかの段階を踏みます。全体像を把握して、余裕をもって準備しましょう。
- ① 管轄警察署に事前相談 — 営業所を管轄する警察署の生活安全課へ。必要書類・予約の要否を確認します。
- ② 書類を準備 — 申請書・住民票・身分証明書・誓約書・略歴書など(法人は追加書類)を揃えます。
- ③ 申請・手数料納付 — 窓口で申請し、手数料(約19,000円)を納めます。
- ④ 審査 — 概ね40日前後の審査期間があります。
- ⑤ 許可証の交付 — 許可後、古物商許可証を受け取り、営業を開始できます。
主な必要書類
必要書類は個人・法人で異なります。代表的なものを整理しました。
| 書類 | 備考 |
|---|---|
| 古物商許可申請書 | 警察署またはWebでダウンロード |
| 住民票 | 本籍記載のもの |
| 身分証明書 | 本籍地の市区町村が発行(運転免許証とは別物) |
| 誓約書 | 欠格事由に該当しない旨 |
| 略歴書 | 過去の経歴 |
| 法人の追加書類 | 登記事項証明書・定款など |
※必要書類・手数料は自治体や時期で変わることがあります。最新の情報は申請先の警察署でご確認ください。
古物の13品目
古物営業法では古物を13品目に分類します。申請時に、自分が取り扱う品目を選択します(複数選択可)。後から品目を追加する場合は変更の届出が必要です。
- 美術品類/衣類/時計・宝飾品類/自動車/自動二輪車・原付/自転車類/写真機類
- 事務機器類/機械工具類/道具類/皮革・ゴム製品類/書籍/金券類
取得後の主な義務
許可を取って終わりではなく、営業を続けるうえで守るべき義務があります。これらは盗品流通防止のための重要なルールです。
- 許可証(標識)の掲示 — 営業所に古物商許可証を掲示します。
- 取引の記録 — 一定の取引について帳簿等に記録・保存します。
- 本人確認の実施 — 買い受け時に相手の本人確認を行います。
- 変更の届出 — 営業所や役員、取り扱い品目などに変更があれば届け出ます。
新品せどりと古物商
メーカー・正規店から仕入れた完全な新品のみを扱う場合の要否は個別判断ですが、中古を扱う可能性があるなら早めに取得しておくと安心です。 せどりを続けるうちに、中古品を扱う機会が出てくることは珍しくありません。 営業として継続的に行う前に、所轄警察署や行政書士に相談し、必要な許可を確認しましょう。 許可を取得したら、本人確認や帳簿などの義務も忘れずに守ることが、安心して長く続けるための基本です。
古物商許可を取るメリット
古物商許可は「義務だから取る」だけでなく、事業を広げるうえでのメリットもあります。 許可があれば、中古品を堂々と仕入れ・販売できるようになり、扱える商材の幅が大きく広がります。 古物市場(業者向けのオークション)に参加できるようになるなど、仕入れ先の選択肢が増えるのも利点です。 また、許可番号を明示することで、取引相手からの信頼性が高まり、フリマや自社販売でも安心して取引してもらいやすくなります。 中長期でせどり・物販を続けるなら、早めに取得しておくことで、後から「許可がなくて扱えない」という機会損失を避けられます。
申請でつまずきやすいポイント
- 身分証明書の取り違え — 運転免許証ではなく、本籍地の市区町村が発行する「身分証明書」が必要。
- 営業所の要件 — 賃貸物件では使用承諾が必要な場合がある。事前に確認を。
- URL の届出 — ネット販売を行う場合、使用するサイトのURLの届出が必要なことがある。
- 欠格事由 — 一定の前科などがあると許可されないことがある。誓約書で確認される。
取得後に守るべき運用の基本
許可を取った後は、日々の運用でルールを守ることが大切です。 営業所には古物商許可証(標識)を掲示し、取引については定められた事項を帳簿に記録・保存します。 買い受けの際は相手の本人確認を行い、不正な物品が紛れ込まないように注意します。 営業所の移転や役員・取り扱い品目の変更があれば、変更の届出を忘れずに行いましょう。 これらは手間に感じるかもしれませんが、盗品流通を防ぎ、健全に事業を続けるための基本ルールです。
個人と法人、どちらで取得する?
古物商許可は、個人でも法人でも取得できます。 副業や個人事業として小さく始めるなら個人での取得が手軽で、費用も抑えられます。 一方、将来的に事業を大きくする・融資や取引で法人格が必要になる見込みがあるなら、法人で取得する選択肢もあります。 ただし法人申請は登記事項証明書や定款などの追加書類が必要で、手続きはやや煩雑になります。 まずは個人で取得し、規模拡大に合わせて法人化を検討する、という進め方も一般的です。
許可取得後によくある疑問
許可を取った後、「営業所を変えたらどうする?」「品目を増やしたいときは?」といった疑問が出てきます。 営業所の移転や取り扱い品目の追加・変更があった場合は、変更の届出が必要です。 また、しばらく営業しない場合でも許可自体は維持されますが、廃業する際は返納の手続きがあります。 これらの手続きは、いずれも管轄警察署で確認できます。 分からないことは自己判断せず、警察署や行政書士に相談するのが確実です。
古物商許可とせどりの健全な運営
古物商許可を取得し、本人確認や帳簿などの義務を守ることは、せどり・物販を健全に続けるための土台になります。 ルールを守った運営は、トラブルを避けるだけでなく、取引相手やプラットフォームからの信頼にもつながります。 新品中心であっても、中古を扱う可能性があるなら早めに許可を取得し、法令を守って運営しましょう。 あわせて、税務の扱い(確定申告)も把握しておくと、安心して事業を続けられます。
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