HiKOKI(ハイコーキ)の新品電動工具を売るとき、いちばん間違えやすいのが 型番の末尾です。同じ機種でも NN は本体のみ、XP は電池 1 個と急速充電器とケース付き、2XP は電池 2 個付きで、 中身がまったく違います。買取価格も当然そのぶん変わります。 高額帯はエアコンプレッサ、釘打機、インパクトレンチ、そして現場用の冷温庫で、 上位機は 5〜9 万円台です。マキタとは売れ筋の構成が違うので、 同じ感覚で相場を当てはめないでください。
電動工具は買取の定番ジャンルですが、情報のほとんどはマキタに集中しています。 HiKOKI は国内で二番手のシェアを持ちながら、 相場の情報が圧倒的に少ないのが現状です。
そして HiKOKI には HiKOKI 特有の読み方があります。 この記事では、型番の読み方、品目ごとの水準、 そしてマキタとどこが違うのかを実データで整理します。
買取Xが扱っているのは新品・未使用品の買取価格です。 現場で使った中古工具とは水準がまったく異なります。 未開封・付属品完備の個体を売る場合、あるいはこれから仕入れる場合の相場としてお読みください。
型番の末尾で中身が変わる — ここを外すと相場を読み違える
HiKOKI のコードレス工具は、同じ機種名で複数の構成が売られています。 違いは末尾に付く記号で表されます。
| 末尾の記号 | 中身 | 買取価格への影響 |
|---|---|---|
| NN | 本体のみ。バッテリーと充電器は別売り | もっとも安い |
| XP | バッテリー 1 個+急速充電器+ケース | 本体のみより明確に上 |
| 2XP | バッテリー 2 個+急速充電器+ケース | もっとも高い構成 |
| 末尾に Z など | ケースの有無といった細かい差 | 小幅だが差が出る |
たとえば「WH18DC(2XPZ)」であれば、5.0Ah のリチウムイオン電池 2 個と急速充電器、 ケースが付いた構成です。同じ「WH18DC」でも「(NN)」なら本体だけで、 電池も充電器も入っていません。
バッテリーは単体で 1 万円を超えるものがあり、急速充電器も同様です。 つまり 2XP と NN では、同梱物だけで数万円の差になります。 これが買取価格にそのまま反映されます。
マルチボルト(36V)という体系
HiKOKI を理解するうえでもうひとつ重要なのが、マルチボルトです。
マルチボルトは、同じバッテリーが 36V の工具では 36V として、 18V の工具では 18V として動く仕組みです。 バッテリーを差した工具に合わせて電圧が切り替わるので、 1 種類のバッテリーで 36V 機と 18V 機の両方をまかなえます。
買取の観点で意味があるのは、マルチボルト対応機はユーザーの囲い込みが強いという点です。 すでにマルチボルトのバッテリーを何個も持っている人は、 新しい工具も HiKOKI から選びます。この構造が中古・新品未使用の需要を支えています。
型番では、36V 機は「36D」を含む形(WH36DC、WR36DH、C3606DA など)になります。 18V 機は「18D」です。電圧が違えば別の商品なので、ここも揃えて確認してください。
HiKOKI の売れ筋はマキタと違う
両社を同じ「電動工具メーカー」として括ると、相場を読み違えます。 買取Xのデータで品目別の平均を出すと、構成がはっきり違います。
| 品目 | HiKOKI の水準 | マキタの水準 |
|---|---|---|
| エアコンプレッサ | 8〜9 万円台 | 11 万円台 |
| 現場用の冷温庫・冷蔵庫 | 4〜5 万円台 | 4 万円台 |
| 釘打機・タッカ | 4 万円台 | 取扱いは少なめ |
| インパクトレンチ | 3 万円台 | 取扱いは少なめ |
| インパクトドライバ・ドリル | 2 万円台 | 2 万円台 |
| クリーナ(掃除機) | 取扱いは少なめ | 1 万円台。点数が多い |
※ 新品・未使用品の買取価格の平均水準。構成や年式によって同一品目内でも大きく異なります。
読み取れるのは、マキタは一般向けの裾野が厚く、HiKOKI は職人向けに寄っているということです。
マキタはコードレスクリーナーや園芸機器の点数が多く、 DIY や家庭の掃除で使う層まで買い手が広がっています。 一方の HiKOKI は、釘打機やインパクトレンチのような 建築現場と自動車整備の道具が上位に来ます。
この違いは売るときにも効きます。 HiKOKI の高額帯はプロが買う道具なので、 需要は季節よりも工事の繁閑に左右されます。
品目ごとの見方
エアコンプレッサ
HiKOKI の買取価格でもっとも高い品目です。上位機は 9 万円台に届きます。
確認すべきは高圧対応か一般圧対応か、そしてタンク容量です。 建築現場で使う釘打機は高圧のものが多く、高圧対応のコンプレッサでないと動きません。 容量は 8L、12L といった表記で、大きいほど連続作業に向きます。
型番の末尾に付く「(CS)」「(CTN)」といった記号は、 ホースやカプラの構成違いを示します。ここでも付属品の構成が価格を分けるという HiKOKI の基本ルールが効いています。
釘打機・タッカ
建築現場の道具です。仕上釘、ピン釘、フロア用、大工用と用途が分かれていて、 打てる釘の種類が違えば別の機械です。
コードレスの仕上釘打機で 5 万円台、ピン釘打機で 4 万円台の買取価格が付きます。 エア式(コンプレッサが必要)とコードレス式があり、 コードレスのほうが単価は高くなります。
インパクトレンチ
ボルトやナットを締める・緩めるための工具で、 インパクトドライバとは別の機械です。 自動車整備やタイヤ交換で使われ、締付トルクの数値が性能を示します。
36V のマルチボルト機で 4 万円台の買取価格になります。 最大緩めトルクが 650N・m といった数字が型番と一緒に書かれていることがあるので、 そこも含めて確認してください。
現場用の冷温庫という異色の枠
工具メーカーが作っている冷蔵庫・冷温庫です。 工具と同じバッテリーで動くので、電源のない現場に持ち込めます。
買取価格は 4〜5 万円台で、インパクトドライバより高いという逆転が起きています。 本体価格が高い製品であることに加え、 夏場の現場需要という明確な用途があるためです。
このジャンルは HiKOKI もマキタも展開していて、どちらも同じような水準です。 工具を売るついでに、こうした周辺機器の相場も確認しておくと取りこぼしが減ります。
インパクトドライバ・ドリル
点数がもっとも多い品目です。買取価格は 2 万円台が中心で、 上位機で 3 万円台後半まで届きます。
型番は「WH」で始まるのがインパクトドライバ、「DS」で始まるのがドライバドリルです。 そのあとに電圧(36D/18D)と世代を示す記号が続きます。
点数が多いということは、比較対象が多いということでもあります。 同じ機種でも構成違いが複数あるので、末尾まで一致させて検索しないと 数千円から数万円の差が出ます。
ハンマドリル
コンクリートに穴をあける工具です。買取価格は 3 万円前後から 4 万円台で、 インパクトドライバより一段高くなります。
型番は「DH」で始まります。集じん機能が付いたモデルは別型番になり、 評価も変わります。
このジャンルは電池 2 個と充電器、純正ケースが揃った構成が 標準的な売られ方をしているので、そのぶん買取価格も高めに出ます。 逆に本体だけの個体は同じ機種名でも大きく下がります。
丸のこ・スライド丸のこ
木材を切る工具です。手持ちの丸のこと、台に据えて使う卓上スライド丸のこがあり、 後者のほうが大幅に高額です。コードレスの卓上スライド丸のこは 6 万円台の買取価格が付きます。
型番は「C」で始まり、そのあとに刃の直径を示す数字が入ります。 刃のサイズが違えば切れる材の厚みが違うので、別の商品として扱われます。
刈払機・チェンソー・ブロワ
園芸・造園向けの機械です。買取価格は 2 万円前後が中心で、 バッテリーと充電器がセットになった刈払機で 4 万円台まで届きます。
このジャンルは季節性があるのが特徴です。 草刈りは春から夏、ブロワは落葉期に需要が出ます。 急がないのであれば、シーズンの手前で出したほうが提示額が揃いやすくなります。
バッテリーの容量表記(Ah)の読み方
バッテリーには「2.5Ah」「5.0Ah」といった容量の表記があります。 数字が大きいほど長く使えて、その分だけ単価も高くなります。
| 表記 | 意味 | 買取での扱い |
|---|---|---|
| 2.5Ah | 標準的な容量。軽い | 付属品としての評価は控えめ |
| 4.0Ah | 中容量 | 中間 |
| 5.0Ah | 大容量。連続作業向け | 単体でも需要がある |
| 8.0Ah | マルチボルトの大容量帯 | もっとも高い |
セット品の型番から容量まで読み取れないことがあるので、 バッテリー本体に印字されている型番も確認してください。 「BSL36A18X」のような表記です。
容量が違えば別のバッテリーです。同じ「2XP」でも、 付いている電池が 2.5Ah なのか 5.0Ah なのかで買取価格は変わります。
なぜ新品の電動工具が買取に出るのか
「工具は使うものなのに、なぜ新品が売られるのか」という疑問があると思います。 このジャンルには、いくつかはっきりした経路があります。
もっとも多いのがセット品を買ったが電池が余ったケースです。 2XP(電池 2 個付き)を買ったが、すでに何個も持っているので余る。 バッテリーだけが在庫として残ります。
次に現場の都合で機種が変わったケース。 発注したが工法が変わって使わなくなった、という形です。
そして贈答や景品。工具は法人の記念品として配られることがあり、 使わない人の手元に新品が残ります。
いずれも未開封のまま残るので、新品・未使用品としての買取対象になります。
今の買取価格を確認する
主な HiKOKI 製品の現在の買取価格です。型番をタップすると、 その型番を扱っている全社の提示価格が高い順に表示されます。
「日立工機」表記の個体について
HiKOKI は、もともと日立工機というブランドでした。 社名とブランドが変わったのは 2018 年で、 それ以前の製品や、移行期の製品には日立のロゴが入っているものがあります。
買取Xに登録されている商品にも「日立 HITACHI HiKOKI」といった表記のものがあります。 これは偽物でも並行品でもなく、正規の流通品です。
査定ではブランド表記そのものより、型番と製造年で判断されます。 ただし旧ブランド表記の個体は年式が古いことが多く、 その分は評価に反映されます。
バッテリー体系は乗り換えコストが高い
電動工具の買取相場を理解するうえで、 バッテリーの互換性という論点は避けて通れません。
HiKOKI のバッテリーはマキタの工具に使えませんし、逆も同じです。 充電器も共通ではありません。つまり、メーカーを変えるには バッテリーと充電器を買い直す必要があるということです。
この乗り換えコストの高さが、買取市場では需要の安定として働きます。 すでに HiKOKI のバッテリーを何個も持っている職人は、 壊れた工具を HiKOKI で買い替えます。他社に移る理由がないからです。
だから電動工具は、コンシューマ向け製品のように 「新型が出た瞬間に旧型の需要が消える」という動き方をしません。 既存のバッテリー体系に合う工具であれば、型落ちでも買い手が付きます。
マルチボルトのバッテリーは単体でも需要があります。 複数個持っていて余っている場合、工具と一緒に出すか、 バッテリー単体で出すかで手取りが変わることがあります。 両方の提示額を確認してから決めてください。
査定で見られるところ
| 見られる点 | なぜ見るか |
|---|---|
| 型番の末尾 | 同梱物の構成が価格を分けるため |
| バッテリーの容量と本数 | 2.5Ah と 5.0Ah では単体価格が違う |
| 充電器の型番 | 急速充電器かどうかで価値が変わる |
| ケースの有無と状態 | 専用ケースは単体でも価値がある |
| 先端工具・付属品 | ビット、刃、ホース、カプラなど |
| 蓄電池保証書 | バッテリーの保証に関わる書類 |
先端工具については、機種によって「標準付属」と「別売」の区別があります。 別売の刃やビットを自分で足していても、 それが加点になるとは限りません。 査定は原則としてメーカーの標準構成を基準にするので、 足したものは別に売ったほうがよい場合があります。 提示額を見てから決めてください。
とくに蓄電池保証書は電動工具特有の書類です。 バッテリーには保証期間があり、その証明になるものなので、 同梱されていれば必ず一緒に送ってください。
相場が動く時期
| きっかけ | 起きること |
|---|---|
| 年度末(1〜3 月) | 工期が集中し、道具の需要が上向く |
| 新製品の発表 | バッテリー体系が同じなら影響は限定的 |
| メーカーの価格改定 | 定価が上がると買取価格も追随する |
| 夏場 | 冷温庫・扇風機など現場用の周辺機器が動く |
電動工具は新製品の影響が小さいジャンルです。 バッテリー体系が変わらない限り、旧型でも既存ユーザーの需要が残るためです。 コンシューマ向け製品とはここが決定的に違います。
値上げが買取相場をどう動かすかについては メーカー値上げと新品買取相場 に、発表日を起点にした実測データをまとめています。
仕入れ側から見た HiKOKI
新品で仕入れて買取に回す場合の注意点です。
第一に、構成を間違えない。NN(本体のみ)を安いと思って仕入れると、 買取価格も相応に低いだけです。差益は構成の違いではなく、 同じ構成のなかでの仕入れ値と買取価格の差で決まります。
第二に、寝かせても値落ちが緩い。バッテリー体系が変わらない限り 旧型の需要が残るため、カーナビやヘルメットのように急いで回す必要はありません。 在庫として持ちやすいジャンルです。
第三に、プロ向けの流通がある。工具は建材店やプロショップ経由の 価格が別に存在することがあり、一般の店頭価格と実勢が乖離している場合があります。
第四に、重量物が多い。エアコンプレッサは特に重く、 送料が手取りに効きます。卓上スライド丸のこも同様で、 金額は大きいものの、送料と梱包の手間を勘定に入れないと見込みが狂います。
第五に、先端工具は別勘定にする。ビットや刃は消耗品で、 本体とは回転も利幅も違います。
第六に、同じ機種の構成違いを混ぜて在庫しない。 NN と 2XP を同じ商品として台帳に載せると、 仕入れ値も買取価格も平均が意味を持たなくなります。 末尾の記号まで含めた型番を、そのまま管理の単位にしてください。
実質コストの計算方法は せどりの利益計算 にまとめています。
売却までの流れ
- 型番を末尾まで書き写す。「WH36DC(2XP)」のように括弧の中まで。ここが価格を分けます。
- 電圧を確認する。36V 機と 18V 機は別商品です。型番の「36D」「18D」で判別できます。
- 同梱物を数える。バッテリーの本数と容量、充電器の型番、ケースの有無。
- 買取Xで検索する。扱っている店と提示額を確認します。
- 蓄電池保証書を探す。あれば同梱してください。
- 元箱ごと梱包する。重量物は二重段ボールが安全です。
セット品はばらして売るべきか
「構成で価格が変わるなら、2XP を本体とバッテリーに分けて売ったほうが高いのでは」 と考える人がいます。結論から言うと、一概には言えません。
| セットのまま出す | ばらして出す | |
|---|---|---|
| 手間 | 1 回の申込で済む | 複数回に分かれる |
| 送料 | 1 口 | 口数が増える |
| 未開封の扱い | 未開封のまま出せる | 開けた時点で未開封ではなくなる |
| 買い手 | セットで欲しい人 | 本体だけ/電池だけ欲しい人 |
決定的なのは未開封という状態が壊れることです。 新品買取は未開封であることに価値が付きます。 箱を開けて中身を分けた時点で、その価値は失われます。
未開封の個体はセットのまま出すのが基本です。 すでに開けてしまっている、あるいは電池だけが余っているという状況であれば、 そのときに単体で出せばよい、という順番になります。
海外モデル・並行輸入品の注意
電動工具には海外向けのモデルがあり、国内モデルとは仕様が違います。
違いは電源電圧、プラグの形状、付属バッテリーの規格、保証です。 コード式の工具は日本の 100V で動かない場合がありますし、 充電器もそのままでは使えないことがあります。
買取に出す場合、海外モデルは国内モデルと同じ扱いにはなりません。 そもそも受け付けていない店もあります。 型番が国内の型番一覧に見当たらない場合は、海外モデルの可能性を疑ってください。
仕入れる側も同じです。安く見えても国内で売れなければ意味がないので、 型番が国内正規のものかどうかを先に確認してください。
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